ボカとタンゲリア|Tangoの話であったり なかったり

ボカとタンゲリア

2017年4月15日

 本当はこの週末、イグアスの滝でも見に行こうかと思っていたのですが、予想外のこちらの物価の高さで、そんな余裕はまったくなくなってしまいました(´;ω;`)

 せめてボカスタジアムでサッカー観戦でも......と思ってツアー会社へ行くと、2人で約5万円と言われ、それってバスならイグアス行けるんじゃないか? と思って断念。もちろん、直接スタジアムに行って安い席を買えば金額は全然変わってきますし、現に僕は今までそうして観てきたわけなのですけれども、チケット売り場はヤクの売人だらけだし、そのせいもあってかどうかは知りませんが、死者も出るくらい皆さん興奮されるので、お世辞にも安全とは言えません。でも、当時はそういうところへ敢えて飛び込んでいくことが旅行だと思っていたんですね。正直、今もスタジアムに直接買いに行ってみようかな? という気持ちは抑え込めていませんが、もう独身ではないのだからと自分に言い聞かせている真っ最中でございます(笑)

 そんなわけで、ボカ戦には行けないまでもと、ボカのカミニートへ行ってきました。ここはブエノスアイレスの最もポピュラーな観光名所と言っていいのではないでしょうか。独特でカラフルな建物の前で、画家さんたちは自分の絵を発表し、レストランの前ではタンゴダンサーや歌手がパフォーマンスを繰り広げ、僕が知る限りは10年以上、マラドーナのそっくりさんが「一緒に写真を撮ろう!」と言い寄って来る......。とにかく昼間は賑やかで、夜はバイオハザードの世界みたいに恐ろしい街です。絵を描くのとタンゴが趣味で、僕が結婚するきっかけになった方のことを思い出しながら、散歩をしたりランチをしたり致しました。

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 夜は、一夜だけの贅沢だと思って、無事にブエノスアイレスの旅が2週間を終えたことへの乾杯の意味も込め、タンゴショーを観ながら食事をしました。「LA VENTANA」というタンゲリアで、料理も美味しいという話は聞いていましたが、本当にそう思いました。今まで僕が行った中で、間違いなく一番です。

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 こちらの写真がステージ。席の目の前にあります。バンドネオンとピアノにコントラバス、バイオリンは2人。歌手は男女ひとりずつ。タンゴダンサーは若手のモデルみたいなペアが3組とベテラン女性がひとり。プラス、フォルクローレの男性ダンサーとチャランゴという編成でした。昔はこういったショーを観るときは、つい自分が注意されているところを中心に見てしまう傾向があったのですが、不思議なくらい、そういうのはなくなっていました。むしろ、欲しいのは熱量で、それはそれは凄かったです。飛び散る汗が降りかかり、まわし蹴りのように飛び込んでくるヒールに思わず身をのけぞらせてしまうほど。特にフォルクローレやチャランゴの演奏は、日頃見る機会が少ないだけに、余計に心に残りました。昔は、「タンゴショーへ行くお金があるならミロンガのデモンストレーションをたくさん見に行った方がいい」といった考え方を持っていたわけなのですが、まったく別物なのだとしみじみ思った夜でした。