回帰|Tangoの話であったり なかったり

回帰

2017年5月11日

 帰国して一週間。まだ体内時計の調子はおかしなままですが、徐々に日本のニュースが頭に入るようになってきました。それまではなんだか絵空事みたいで、現実に起きている事件として理解が追い付いていなかったんですね。アルゼンチンに居る間、僕の目に飛び込んできたニュースはふたつ。ひとつは「4月中に金 正恩が中国に亡命しないとアメリカが北朝鮮を攻撃するから、様子を見て帰って来た方がいいぞ~」ということ。ひとつは志村けんのInstagramが乗っ取られたらしいということ。情報源は友人からのメールです。このチョイスの是非や真偽はともかく、アルゼンチンからでは受け止め方に苦しむ内容でした。籠池さんの話って、まだやってるんですね。神田沙也加ちゃん、結婚するんですね。デビューした頃から恐れ多くも勝手に親近感を覚えさせて頂いており、しかし取り立てて理由を調べることまではしていなかったのですが、昨日読んだニュースでわかりました。

 その後、歯医者へ行くと、いつも担当して下さっていた先生が辞められており、新しい先生に。この先生、ベテランぽく見えるのにすぐオロオロするし、しょっちゅう脚を機材にぶつけるし、とにかく独り言が多いです。「う~ん、麻酔もう一本打っといた方がいいかな。んー、まあいいや。やってから考えよう」「こりゃ掃除機で吸い取った方がはええな......」「なんて暴れん坊のベロだよ......」。

 確かに僕の舌は、どんなに綿を詰めてもらっても、意志に反して好奇心旺盛な猫みたいにドリルに吸い寄せられていくという妙な反応を見せるわけなのですけれども、暴れん坊のベロって......(笑)。そうかと思うと、突然、最新の治療方法や、似たような症状の患者さんを担当したときの処置方法、この病院にある機材がいかに古いかなどなど、熱のこもった解説をして下さりします。(勉強ばっかりしていて現場から離れていたのかな?)と推測しつつ、レントゲン写真に映った僕の歯についての説明を聞いていたときです。

「この黒い部分は歯がないところなんですけどね。......でもこんなに小さかったかな? ......ん? この歯じゃねえな......」

 僕の心は完全に不安を乗り超えました。

 治療中はトレーニングも兼ねて、どんなに痛くても恐くても肩に力を入れないように気を付け、そんなことをしているうちに一時間半が過ぎ、ようやく終わりました。一回の歯医者の治療でこんなに時間が掛かったのは初めてです。というより、その間、待合室も含めて僕の他に患者さんを見掛けなかったことが気になります。

 本当はこのあと飲みに出掛ける予定だったのですが、口も開かない状態なので申し訳ないと思いつつキャンセルさせて頂き、ようやく動かせるようになった頃、家でテレビをつけ、郷ひろみの特集を見ながら晩御飯を戴きました。自宅で嫁さんとゆっくり食事をするのは帰国後初。ようやく真の意味で帰って来た実感が持てました。もともと大して規則正しい生活を送っていたわけでもないし、ホントは時差ボケも何もあったもんじゃないんですよね。

 さて、散歩に行って参ります('-'*)