誘惑|Tangoの話であったり なかったり

誘惑

2017年5月12日

 散歩から帰って朝食を戴き、親父の墓参りへ。その足で母にも挨拶へ行こうと思ったのですが、「今日は出勤しない」ということで、日を改めることに。香炉に置かれたメビウスの吸い殻と、水鉢に供えられた爽健美茶の色褪せ具合から、僕の前に訪れたのが誰であるかと、そのおおよその時期がわかります。こういう痕跡って、なんか好きです。

 夜には飲みの約束があるものの、それまでポッカリ時間が空いてしまったので、アルゼンチンに居る頃からずっと行きたかった温泉にでも浸かりに行こうかと頭をよぎりました。親父の墓があるのは、昔過ごした多摩ニュータウンで、このエリアは日帰り温泉の宝庫。なかでも僕は、読売ランドに隣接している「丘の湯」が大好きなのです。ちなみに僕は独りで行く場合、駅からのゴンドラは使いませんので、283段の階段を上り、更に山道をてっぺんまで歩かなければなりません。しかし、その方が数倍、ビールも風呂も身体に染みるというものです。露天風呂からの景色は空のみで、これは例え温泉地へ行ってもなかなか味わえるものではありません。しかもこの日はアルゼンチンにも迫る深いブルー。よほど途中下車しようかと思いましたが、抜け駆けはいけんと、なんとか思い留まることが出来ました('-'*)

 するとタイミングよく、と申しましょうか、約束していたYちゃんの予定もキャンセルになったらしく、早い時間から飲むことに。けっこうなペースで飲み続けましたが、ハイボールが薄かったのか、あまり酔うことはなく、帰り際は飲み足りなくてもう一軒行っちゃおうかな......とも思ったのですが、ダメダメダメと自分に言い聞かせ、夜食にラーメン食べちゃおっかなあとも思ったのですが、それもダメだと自分に言い聞かせ、誘惑と戦っている途中で気付けば熟睡していたわけなのでした。