メッセージ|Tangoの話であったり なかったり(β版)

メッセージ

2017年12月16日

 環境が変わって、今までとは違ったタイプの方とお会いする機会が多くなり、こんな質問をされることも増えました。

「どうしたらタンゴは上達しますか?」

 僕は、「タンゴをはじようと思ったきっかけを忘れないこと」だと答えています。タンゴを続けていると、いろいろな考え方や踊り方を知り、それに合わせてスタイルを変えていくことも重要ですが、数ある踊りの中からタンゴを選ぶということは、物凄い覚悟がいったと思うのです。そして、それほどのエネルギーが生み出された以上、例えば映画のワンシーンや音楽からだったとしても、「どんな風に踊りたいか?」というイメージが、無意識の中にはあったのではないかと思うのです。少なくても僕はこれまで、千人を超す人の人生を取材してきましたが、親や先生に言われた通りに努力して権力やお金を得たものの、うまく使いこなせず、むしろ、それら後ろ盾なしでは何もできなかったり振りまわされてしまったり......といった人をたくさん見てきました。幸せが何であるかをイメージできていないまま、誰かに言われた通りに生きて掴むことは難しいと思うのですよね。幸せが何であるかを知らず、イメージもできていないのですから。

 幸いタンゴというものは、それ自体が生きていくうえで不可欠な存在ではないので、やりたくなければやらなければよく、それなのにトライしてみたいと思ったエネルギー(きっかけ)は、かけがえのないことだと思うのです。何が言いたいかといいますと、「どのくらいやれば上達しますか?」「いくつステップを知っていれば大丈夫ですか?」という質問に、明確な数字はないということです。答えは御自身が持っているはず。僕にできるのは、生徒さんの漠然としたイメージを明確にして、その人の理想に近づけていくお手伝いをさせて頂くことだと考えています。

 なぜ今日、こんなことを書いたかというと、これから一時帰国中の弟子のレッスンがあるからです。本来、僕が「弟子」などと偉そうなことを言える人物ではないことなど百も承知しているのですが、そう言ってもらえる以上、受け止めなくては責任逃れをしているみたいですからね。また、明日の「Todoroki TANGO 2017年末スペシャル」(僕が主催するLOCA以外のミロンガ)を最後にアメリカへ行かれる生徒さんがいたり、Maria Nieves先生やSilvia Toscano先生から教わり、タンゴを踊るうえで僕が最も伝えたいと思っている部分を初めて受け取ってくれた生徒さん......帰国されたばかりでまだ再開は果たせていませんが......と先日メールで連絡を取り合ったりと、いろいろ重なったからだと思います。

 こういう仕事をしていると、出会いも別れもどうしても多くなるわけですが、本当に大事な人とは、例えどれだけ距離が離れていても、何年会っていなくても、縁が切れることがないものだということは、それなりに経験で知っているつもりです。これはシルビア先生の言葉ですが、「タンゴがあなたを見捨てることは決してない。そしてタンゴをあなたが続けている限り、私たちは必ずまた会うでしょう」を、いつも胸に刻んでいます。

 ......`s(・'・;)

 とにかくそんなわけで、今日のレッスンとミロンガ、明日のTodoroki TANGOと、思う存分、タンゴを楽しみましょう('-'*)