先生|Tangoの話であったり なかったり

先生

2018年9月12日

 ピアソラのドキュメンタリー映画が日本でも公開されるようですね。そういえば昔、「ヨン様を主人公にしたタンゴの映画のプロットを考えて欲しい?」と頼まれて、ピアソラと絡ませたストーリーを書いたことがあったかな。原稿を渡してから音沙汰がないので企画は没ったのでしょうが、今にして思えば貴重な経験でした('-'*)

 さて、きのうはメールのやり取りの合間を縫って、家の掃除をしたり荷物をまとめたり、18日までのスケジュール調整をしたりして過ごしました。そのなかでシルビア先生が現在病院にいることを知りました。レッスン開始となる月曜日までには大丈夫とのことですが、心配です。

 これまたそういえばの話なのですが、昔ブエノスアイレスでタンゴを学んでいたときは、午前中はシルビア先生、午後はマリアニエベス先生に教わっていて、ある日を境にマリアさんのレッスンが突然中止になり、一週間後に再開したことがありました。そのとき彼女のアシスタントとして同行していたジュニオールが、マリアさんの首元から下腹部あたりまでを人差し指でさしたりベッドに横になったり走りだしたり、まるで一人コントでもやっているようなジェスチャーをしながら腹を抱えて笑い、何かを僕に伝えようとしました。スペイン語がわからない僕には、その仕草と表情から、「この婆ちゃん、こーんなにでっかく腹を割いて手術したんだぜ。で、ホントはまだ寝てなきゃいけないのに病院を抜け出してここに来た」と聞こえました。こんな話を馬鹿笑いしながらするジュニオールもなんですが、マリアさんの気合たるや......。ちょうどその頃やっていたレッスンの内容はミロンガで、僕の身体にリズムを埋め込もうと、ひたすら逆リードしながら教えてくれたことを思い出しました。その翌日は日本に帰る前の最後のレッスンで、マリアさんひとりでスタジオに来られ、顔色も悪く、ときどき腹あたりを押さえたりもして、よほど「レッスンは中止にしませんか?」と言いたかったのですが、マリアさんが望んでいることはそこじゃないと自分に言い聞かせたものでございます。

 シルビアの容態の詳細はわかりませんが、こういうところを見せられると、先にバテるわけにはいかないですね。