Zona Tango|Tangoの話であったり なかったり

Zona Tango

2018年9月27日

 Zona Tangoに行ってきました。先週も行ったので2週連続です('-'*)。こちらのミロンガは、昨年アルゼンチンで浅井みどり先生(以下みどりちゃん)と飲んだとき、「たけしさんにはぜひ見てもらいたい」と薦めてもらったもののタイミングが合わず、今年春にはそのみどりちゃんと一緒にZonatango Tokyo×ASADO Milongaというミロンガもやり、ずっと気になっていた場所。行って「なるほど......」と思う部分が多いミロンガでした。

 他の多くのミロンガとのひとつの違いは、エントランス料が決まっておらず、バーカウンターに大きめの透明な瓶が置いてあり、それぞれ任意で好きな金額を投げ入れます。もちろんタダでも構いません。そしてライブなどパフォーマンスが終わったあとにはオーガナイザーがひっくり返した帽子を持って各テーブルをまわります。これもまたチップを入れる義務はなく、飲み物も強制ではないのでタダで踊るだけ踊ってパフォーマンスを観て帰ることもできるのです。

 またZona Tangoは、Hoy Milongaなどミロンガ情報サイトには載せていませんし、しょっちゅう場所も変わります。一軒家を丸ごと借り切って、踊る部屋、ライブを聴く部屋、パフォーマンスを観る部屋などに分かれている場合もあるようです(このパターンはZonatango Tokyo×ASADO Milongaでやりましたね)。

 客層は極めて若く、プロから今日初めてタンゴを踊るような人まで入り乱れ、流れる曲については聴いたことのないアレンジのタイトルばかりで好奇心を掻き立てられました。

 僕もミロンガを企画する身として、同じようなスタンスでやってみたいと思いつつ、まずこれだけぶっ飛んだアレンジの曲を流し続けてミロンガとして成立させることができるだろうか? 100%チップ制にした場合、それで場所代やミュージシャンたちのギャラを支払うだけの収益をあげられるだろうか? と考えたとき、こんなリスキーなミロンガを毎週やり続けて、しかも席がないほど繁盛させているオーガナイザーの力というかブエノスアイレスの文化度の高さをあらためて感じました。

 この日のライブはOsvaldo Peredo y Cindy Harcha。語りかけてくるような歌声に心が震えました。ちなみにこの日、Irene Ferrariという女性ボーカルの方が一緒で、彼女は僕が今回アルゼンチンへ行く少し前から、なんとか滞在中に会えないものかと何度も連絡を下さっていて、ようやくこの日、Zonaでなら......ということで打診したところ、日本人の女性を連れてきて下さり、その女性というのがピアニストの大長志野さんで、来月Osvaldo PeredoとCindy Harchaとアルバムのレコーディングをするというのだから驚きです。薄れていく縁や消えていく縁がある一方で、深まる縁や生まれる縁もあり、一期一会の大切さをしみじみ感じた一日でした。

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