過去|Tangoの話であったり なかったり

過去

2019年3月29日

 ときどきインドの話題になったとき、初めてインド旅行をしたときの日記「チェンナイレポート」の話をすることがあって、そのなかでも更にときどき懐かしくなって読み返すことがあるのですが、もしこうして書き留めていなかったら、自分でもあのときのことが現実に起きていたと信じられないのではないか。そんな風に感じるときがあります。しかし昨夜、LOCAのミロンガに一時帰国中の弟子が遊びに来てくれるということで、去年一年を通じて人気が高かった曲やタンダを集めた年末のTodoroki TANGOのプレイリストを流したところ、恥ずかしながら過去の自分に打ちのめされました。冒頭のチェンナイレポートのように過去を確認するために振り返ることはあっても、基本的に原稿でも編集した書籍でも、完成した瞬間に執着がなくなってしまう僕にとって、こんな経験は初めて。

 他人がそれをどう判断するかは別として、自分の中では毎回、前より何か新しいことにチャレンジしていないと不安になる傾向があって、だから回を重ねるごとに苦しくなっていくこともわかっていて。......いやあ、そりゃベスト盤と対抗するのが厳しいのはわかっているんですけどね。

 そんなとき、ふと思ったわけでございます。4月には2回Todoroki TANGOがありまして、「男性ボーカルと女性ボーカル」「昔と今」などテーマを分けて選曲してみようかな、と考えていた時期もあるのですが、いざ取り掛かってみると2回に振り分けられるほどの余裕なんてどこにもなくて。ならば4月14日は新しいもの。28日は昨年末に流したリストを、時事的なコルティナなど見直してもう一度使ってもいいのではないかと。黙って流してそこに気付く方がどれだけいるかはわかりませんが、このことを隠してDJブースに座れるほど僕はメンタルが強くないので、先に告白しておきます(笑)。言うなれば僕自身の今と昔という振り分けですね。気にしなければ全然どうでもいい情報でもありますし、気にかけて下されば、ひょっとしたら変化を感じて頂けるかも知れません。しかし何が恐いって、僕が一番恐いです。