回転寿司|Tangoの話であったり なかったり

回転寿司

2017年9月12日

 昨日は父の墓参りへ行ったついでに、前からずっと気になっていたイーアス高尾にある回転寿司「すしえもん」へ行ってきました。四谷には「すし」や「三谷」をはじめ、名だたる寿司屋が幾つも存在する割に回転寿司はなく、また、父は生魚が食べられなかったので幼少期に家族で食べに行った覚えもなく、実は僕、回転寿司のシステムをよく理解していないのです。特に最近は、牛丼やカレー、ラーメンまで置いてある所もあるというではないですか。もちろん僕は、お呼ばれでもしない限り、「すし匠」や「三谷」のような高級店で寿司を戴くなどということはないわけなのですけれども、行けば顔を覚えてくれている店はあって、座っていれば旬のネタを出してくれるので、注文とか自体よくわかっていなかったりするのです。なので、「すしえもん」一押しの鯛めしを食べてみたいと思うのですが、鯛めしは寿司の前に注文するべきなのか後が正しいのか。「すしえもん」にカレーはないようですが、例えばカレーやラーメンを食べた場合、先だと寿司の味がわかりにくくなりそうだし、後だと......え、そんなに腹に入るの??? という感じで悩んでしまい、嫁さんに質問すると、「好きなものを好きな時に注文すればいいんじゃない?」とあっさり答えられ、サラリーマン時代に上司に寿司屋に連れて行ってもらったとき、最初にイクラとウニを注文したら鼻で笑われたことを思い出し、ミロンガではフロアを左周りで踊るように、回転寿司にも暗黙のルールがあるのではないかと思ったのですが、そこまで気にする必要がないということがわかり少しばかりホッとしました。

 そのときです。

「たけしさんさぁ......、前から回転寿司の話が出るたびに感じてたんだけど、回転寿司のこと、お寿司の食べ放題みたいに考えてない?」

 思わず言葉を失いました。数少ないとはいえ回転寿司へ行った経験がないわけではなく、嫁さんとも下関の 唐戸市場の回転寿司で入口に飾ってある安倍総理の写真を見たこともあります。そのどのときも、極限まで腹を空かせてどれだけ皿を積み上げるかに挑戦してきたわけで、僕の回転寿司に対するイメージを根底から覆されたような気が致しました。

「回転寿司はファミレスだから......」

 これ以上ないジェネレーションギャップを感じた次第でございます。

「誰もいつ何を頼んだとか気にしてないから大丈夫よ」との助言を受け、席について早速タッチパネルで刺身の盛り合わせを注文すると、店員さんがやって来て、「ご注文は刺身の盛り合わせでお間違えないでしょうか?」と、訝し気な顔で言われました。(やっぱ順番あるんじゃないの?)と緊張感が走りながら、寿司屋に来たらまずお造りじゃないのか? と混乱致します。

 気持ちを抑えようと冷酒を飲んで待っていたら、テーブルの脇から「ピコンピコン!」とアラームみたいな音が鳴り響き、回転寿司のレールの上を猛スピード(少なくても僕にはそう感じました)で、ネタを乗せた新幹線の模型が走ってきて目の前で止まり、僕は度肝を抜かされました。このことに一体なんの意味があるのだろうか? ......でもそれを言ったらタッチパネルで注文できるのに、わざわざ工事してレールを作って鮮度が落ちていく一方の寿司を乗せて回転させることになんの意味があるのか? という話になるし......。

 と、ブツブツ考えていると、嫁さんが手慣れた手付きで皿を取り、ボタンを押すと新幹線は走り去って行きました。(この女、できる......)と、心からそう思いました。

 ......いやあ、それにしても慣れてくると楽しいもんですねえ。なんだか遊園地にでも来たようなワクワクの連続でした('-'*)