最後のレッスン|Tangoの話であったり なかったり(β版)

最後のレッスン

2019年2月 6日

 これからレッスン。

 きのうは、とある画家の先生から「タンゴを描きたい」と声を掛けて頂き、絵画モデルを初めて経験してきました。そのときの話を書こうと思って帰ってきたのですが、いま僕の頭を占めているのは別のことなので、そちらの話を書きます。

 体感的には3年くらいになるのかな。毎週水曜日の朝8時からプライベートレッスンを取ってくれている生徒さんがいて、今日をいったん最後に彼女はブラジルへ行きます。これはもうジンクスと言ってもいいと思うのですが、SinRumboのマスター時代から定期的にプライベートレッスンを取ってくれていた生徒さんは全員、海外へ行くことになりました。アルゼンチンタンゴという外国の踊りに興味を持つこと、また僕の元へはどうも特殊な仕事をされているかたが多く集まってくるという傾向から、そうなることもおかしくないわけですが、そのつど自分の心臓の半分が捥ぎ取られるような気がします。

 こんなことを書くと語弊がありそうですが、僕は誰に対してもタンゴを教えたいという感情は持っておらず......というか、僕から盗みたいものがあるという明確な目的がないならば、他にいくらでもニーズに合った先生がいらっしゃると思っています。少なくとも僕がマリア・ニエベス先生やシルビア・トスカーノ先生から教わったタンゴは、カリキュラムでどうこうできる内容ではなかったので......。これはあくまで僕の個人的感想ですが、要領のいい人が踊るタンゴにはあまり魅力を感じません。不器用な部分をコツコツ時間をかけて積み上げていった背景が感じられるような踊りが好き。なので僕は、興味さえ持ってもらえれば、どんな人でもタンゴを踊れるようにする自信を持っている一方、教える側と教わる側がリスペクトし合えないとレッスンは難しいと考えているのです。

 さて、少し話がそれましたが、海外へ出て行かれる生徒さんは皆、有難いことに「日本に帰って来たらまた宜しくお願いします」と言って下さります。必ずしもそうなるかどうかは別として、しかし僕が大嫌いな口先ばかりの日和見主義のお調子者(チョット言葉が強いですね。笑)とは違って、ときどき連絡をくれたり、どこに住んで何をしていようと心の距離は相変わらず同じ場所にあったりして、僕は必ず別れ際に、「あなたがタンゴを辞めない限り、きっとまた会う日が来る」と、僕の先生の言葉を心から請け売りで使わせてもらっています。タンゴは世界中で踊れます。どうぞ自信を持って楽しんで来て下さいね('-'*)