4ヶ月が経ち|Tangoの話であったり なかったり

4ヶ月が経ち

2022年4月30日

 2022年も4ヶ月が経つということで、ひとつ今の自分の気持ちを残しておこうと思います。 

 ブエノスへ行く資金やレッスン代、舞台に出資して下さるかたがいて、親はタンゴスタジオ経営、ブエノスアイレスではマリアニエベスやシルビアトスカーノといった超一流のダンサーの指導が受けられ、タンゴを学ぶ人間にとってこれほど恵まれた環境があるだろうか......というなかで、ただそれらを受け止められる体力も心も器もなく、プレッシャーに圧し潰されて心身ボロボロになってタンゴから離れ、タンゴと本気で向き合っていらっしゃるかたたちから見たら本当に腹立たしい存在だということはよくわかっていたので、この世界と関わることはもうないと思っていたのですが、父の遺言をきっかけにタンゴバーのマスターとして戻り、結婚を機に二人三脚でマイペースにタンゴを楽しんできました。

 しかし今またいろんな縁が重なって、僕の器ではどうにも出来ない状況になってきました。ただ、前回と違う点は、一度壊れた自分を知っていること。僕には出来ない部分を助けてくれたり、本気で僕のリミッターを外そうとエネルギーを注いで下さるかた達がいることです。僕もタンゴを教えている端くれとして、一目見ればどの程度その人が伸びるかはわかるつもりです。ただ、そこに辿り着くまでには幾つものリミッターを外す必要があって、それには相手の根気と、信頼関係が絶対条件。リミッターを外す側の労力もよくわかっているので、こんな僕を選んでくれて有難うという気持ちしかありません。

 だからね。今回は壊れないようにしないと。仮に壊れたとしても前のめりに倒れないと。まさかこの年になって一から身体をつくり直すことになるとは思っていませんでしたが、マイペースではなく自分の精一杯というところまでは挑戦しようと思っています。