お久しぶりです。|Tangoの話であったり なかったり

お久しぶりです。

2022年9月18日
 明後日の早朝には会場入りして舞台セッティングに入るので、僕のイメージとしては残すところあと二日。明日は準備に追われるだろうから、こうしてパソコンの前に座わっていられるのは今が最後かも。だから今の気持ちを書き残しておきたいと思います。
 Todo o Nadaの舞台となる「すみだパーク倉」は、もともと倉庫でした。ガランとした空間とコンクリート越しに伝わってくる冷たい空気がなぜかブエノスアイレスを思い出し、この場所に決めました。ただ、ここには照明機材も音響機器もなく、床に敷くリノニウムも自分たちで敷かなければなりません。これはほんの一例で、無知ゆえの問題が山ほどありました(まだ残ってます...)。今も頑張って美帆さんが、スタッフさんたちと打ち合わせながらタイムテーブルをつくってくれています。
 この企画が動き出してしばらく......いや、僕はこういうところで嘘が書けないので、正直わりと最近まで、内容も踊りも僕には荷が重すぎると感じていて、現実に気持ちが追いついていませんでした。ダニエルの熱意や美帆子さんの優しさ、洋介さんの圧倒的なカッコ良さ、美帆さんの真っ直ぐさや彩ちゃんのガッツ、後半になって救世主のようにあらわれたカッチャン。友人たちからの叱咤激励、この舞台を観るために脳溢血のリハビリを頑張って下さっているかたがいることも聞いています。
 この世には数え切れない舞台があって、Todo o Nadaもそのなかにあってはほんの小さなひとつにしか過ぎません。だけど僕にとってはすべてです。ときどき喧嘩したり考えが食い違ったり、避けて通ろうと思えばできなくはなかった場面でも、ぶつかって乗り越えることを選んできました。信じられるチームだからです。チームというより家族です。このひとたちと舞台がつくれていることを本当に感謝しています。このエネルギーは、きっと観に来て下さったかたの心にも何かしらのかたちで届くと信じています。楽しみにしていて下さいね。