Tango Bardo Japan Tour 回顧録-1|Tangoの話であったり なかったり

Tango Bardo Japan Tour 回顧録-1

2023年6月25日

 投稿の仕方すら忘れてしまうくらい、本当に久しぶりの更新です。

 なんとかTango Bardo Japan Tourを終え、無事に彼らは帰国しました。リーダーのルーカスはスーツケースの荷物を片付け、シャワーを浴びたのちミロンガへ行ったそうです。どんだけ体力があるんだか......。

 このツアーは僕のタンゴ人生にとって、とても大きな意味を持ちました。なので記録を残しておこうとInstagramと合わせてゆっくり書いていきたいと思います。

 すべてはTango BardoがFacebookに投稿したこの一枚がきっかけでした。ここに記載されている時期よりは少し早いけど6月17日に横浜赤レンガ倉庫でミロンガをやることは決まっていたし、かねてからTango Bardoの大ファンであったし、過去にTango Bardoと同じルーカスがリーダーを務めているRomantica Milongueraとは2度ほどストリーミングミロンガで仕事をしたこともあったしで、連絡しない理由が見つからなかった感じです。考える間もなくメールしてました。

 そこでオーストラリアのオーガナイザーさんを紹介してもらってしばらくやりとりしつつ、Doble AのオーナーであるJungさんに相談を持ちかけたところ力を貸して下さるというということになり、彼は海外のオーガナイザーの知り合いも多いので声をかけて頂いて、Tango Bardoのアジアツアーを企画しました。

 しかしどの国もスケジュールが合わず、横浜赤レンガ倉庫とオーストラリアのタンゴフェスティバルとも約一ヶ月の間が空いてしまうということで、この企画は破談。Tango Bardoを呼ぶためには日本単独で進めるしかなくなりました。

 正直なところ、この時点でほぼ現実的ではなくなりました。Jungさん、La Cumparsitaの荻野先生との共同主催とはいえ、アルゼンチンからバンドを呼ぶには莫大なお金がかかります。ミロンガを数回やったところで元が取れるわけがありません。そんなとき、「ミロンガだけではなくコンサートをやったらどうか?」という話が浮上し場所を探したところ、偶然赤レンガ倉庫の前日、6月16日だけぽっかり人気の文京シビック小ホールが丸々一日空いていて、これは「諦めるな!」という神の啓示かな? と思ったわけでございます。

 一方、昨年に行なったタンゴショー「Todo o Nada」を観に来られて以降知り合いになったAさんがアルゼンチンタンゴに興味を持たれ、ブエノスアイレスへ行ってみたいという話になり(結局そのかたはスケジュールが合わなくて行けませんでしたが)、その時期たまたま、彩ちゃんは独りでもブエノスへ行きたい、美帆さんも独りだと旦那さんが治安が悪くて心配するから誰か一緒に行ってくれるひとがいるなら興味があると言っていて、そこへBardoの一件です。もし本当に招聘するならメールのやり取りだけでは心許ないので直接会って内容を詰めたい。そんな理由が重なって、ブエノスアイレスへ行く話が進みはじめました。

 しかし、もっとも肝心なお金が我が家にはありません。こればかりはなんともならないと思っていたところへ数名のかたが援助を申し出て下さり、ブエノス行きが実現致しました。その方々がいなければこの企画は成立しませんでした。また、猫を預かってくれた義妹夫婦にも、この場を借りて心からのお礼を申し上げます。

 物事が動くときには本当に多くのかたの力が川の流れのように働くもので、独りでは何もできません。あらためてそのことに感謝しつつ、旅の準備をはじめることになったわけでございます。

<つづく>