リスク|Tangoの話であったり なかったり(β版)

リスク

2020年4月30日

 メンバーを変えて、二度目のオンライン飲みをしました。今回は今流行り(?)のZOOM。だいぶこの飲み方にも慣れてきました。それはいいんだけど、二回とも回線を切った途端に僕自身の電池も切れて、その場に寝てしまうのが困ったものです。

 さて、僕は基本的に家ではほとんど酒を飲みません。僕にとってお酒とは、錆びついたメンタルを潤滑に動かすためのコミュニケーションツールという位置付けだからです。根っからの出不精である僕が家飲みに味をしめてしまったらどうなるか、それをよくわかっているという部分もあります。

 むかし編集プロダクションをやっていた頃、おっかない作家さんから「俺が可愛がってる若い奴がいるんだけど、チョットお前んとこで面倒みてくれねえか」と頼まれ預かったことがあります。その先生が目を掛けるくらいだから、ワードセンスや物事への着眼点など非凡なものは持っていたのですが、いかんせん彼には根性がない。どんな原稿を書きたいのか尋ねて、「エロゲの攻略とかやってみたいッス」というので知り合いのつてを辿って仕事を取ってきたら、一回書いて「やっぱエロゲは仕事でやるもんじゃないッスね」と言ってすぐ投げ出すとかそんな感じ。タンゴのレッスンをしているときにもよく言うのですが、仮に100点満点中、40点以下が赤点とした場合、100点を狙いにいく人と40点を切らないようにする人(40点以下でも気にしないという人もいますが、それは話にならないので置いておきます)に分かれ、彼の場合は典型的な40点型。41点を取るのも労力の無駄と考えてしまうように見える性格でした。僕自身もそういうところがあるのでよくわかるのです(笑)。なかには100点以上を目指す人がいて、そういうタイプが成功していくわけですが、彼は40点しか取らないのに、早々にあちこちから著名原稿の依頼がくるようになりました。主な原稿の内容はアングラサイトや怪しげなソフトの紹介。しかし、知識と興味を惹かせる能力において同ジャンルで彼の右に出るライターは当時いなかったんじゃないかと思います。

 彼が売れるにつれて会社に出社する日が減ってきて、僕もまた自宅じゃないと原稿が書けないという性格だったもので、今でいうところのテレワークが中心のスタイルになっていったわけですが、彼はいよいよ家から出ることも面倒になり、買い物は通販、人とのコミュニケーションはチャット、食事はコンビニで働いている後輩に期限切れの弁当を家まで届けさせるというようになりました。そんな生活をしばらく続けたのち、彼は脳の血管が切れて死にました。30歳にもならずして......。もし彼がまだ生きていたら、スマホの紹介ひとつとってみてもどれだけ面白い文章を書いていただろう、というより読みたかったです。世にスマホが誕生する前に死んでしまったのでね。朝ふと彼のことが頭をよぎり、本当に何もかもが早すぎた男だったなと思ったわけでございます。今の時期、自粛は勿論ですが、それが健康面でノーリスクなわけでは決してない。「いつ」「どのように」「どこへ」をよく考えてから行動することが大事なのだと思います。